ノートをきれいに描きたくなる細胞|諸行無常

「今日って何曜日?」

朝食の途中で息子が訊ねてきた。金曜日、と答えると、彼の顔がパッと明るくなる。

「ヨッシャー!」と拳を軽く突き上げて、声を上げる。

「そんなに嬉しい?何かあるの?」

「5校時が算数だ!」と息子は満面の笑み。

あれ、算数がそんなに好きだったっけ?
少し不思議に思って、「算数が好きなの?」と訊ねてみた。

「算数が1番、道徳が2番に格上げ」と、なぜか少し誇らしげだ。

「ふーん、なんで好きなん?」

「ノートをとるのが好きなんだ」

え、ちょっと待て。
字を書くのなんて、面倒くさいって前は言ってたのに。
書き順も無視して、できるだけ画数を減らす手法を編み出してた息子が?

「今、ノートきれいに書いてるよ」

諸行無常

いつの間にか、ノートをきれいに書きたいと思う細胞が彼の中で増えて入れ替わったんだろうか。

そんな金曜の朝7時。

アイキャッチ画像は生成AIにタイトルの文章にあうように作ってもらった。